最難関校ではサピックスのひとり勝ち
問題は「人気商品の中からさらにどれを選ぶか」である。私は最近『親が後悔しない、子供に失敗させない 中学受験塾の選び方』を著し、中学受験塾を短期目標設定の仕方、すなわち「スモールステップ」で選ぶという観点を提案している。しかしその大前提として、やはり塾を選ぶ基準として合格実績のチェックは不可欠だ。
塾の合格実績というと、御三家をはじめとする最難関校の合格者数ばかりが注目されるが、そのような学校への合格者数が多い塾が万人にとって良い塾とも限らない。塾にも得意分野があるからだ。開成や灘、桜蔭などの最難関校に強い塾もあれば、いわゆる中堅校に強い塾もある。
『塾ランキング』などの著書がある中学受験カウンセラーの石田達人さんが、各塾の合格実績を一つひとつ地道に調べて作成した貴重なデータを、『親が後悔しない、子供に失敗させない 中学受験塾の選び方』には掲載している。
中学入試を行っている学校を、最難関校(偏差値65以上)、難関校(偏差値60~64)、上位校(偏差値56~59)、中堅校(偏差値51~55)、中位校(偏差値46~50)、一般校(偏差値40~45)、下位校(偏差値39以下)に分類し、各塾がどこの偏差値帯の学校に強いのかが一目瞭然でわかる。データそのものはここでは転載できないが、概要を説明すると次のようになる。
首都圏ではサピックスが最難関校および難関校に圧倒的な強さ。続いてその層に強いのが早稲田アカデミー。日能研と四谷大塚が、栄光ゼミナールと市進学院が、それぞれ似たような比率構成だ。