【國光】でも、最近はようやくインターネットも成熟してきて、インターネット発のコンテンツが生まれる状況になってきました。短時間で遊べるスマホのゲームも、その1つです。もちろんこれで終わりではなく、これから新しい技術は次々に出てくるし、新しいエンターテインメントも生み出せます。たとえばスマートテレビが普及したり、バーチャルリアリティの技術が発達したら、もっとおもしろいことができるはずです。挑戦を続けていって、あとで歴史を振り返ったときに、20世紀はディズニー、21世紀はgumiの時代だった、と言われるようになりたいですね。

田原さんへの質問:生きる目的は何か、いつも考えてしまいます……

【田原】僕はジャーナリストとして、多くの経営者や政治家と話をしてきました。たとえば経営者なら盛田昭夫、松下幸之助、本田宗一郎、政治家なら岸信介、池田勇人、田中角栄、中曽根康弘、全部会って本音を聞いています。これは僕の財産であり、そうした財産を得られる仕事に出合えたことは本当にラッキーだったと思います。

でも、いまの仕事を一生続けるかどうかはわかりません。やりたいことはたくさんあって、将来他の職業になることもありえます。結局、生きる目的は最後までわかりません。ただ1つ言えるのは、悩み続けるかぎりは現役であるということ。もうこれでいいと満足した瞬間に、人は歩みを止めるのです。

遺言:存分に悩め。それが現役の証拠だ

田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年よりフリーのジャーナリストに。若手起業家との対談を収録した『起業のリアル』(小社刊)ほか、『日本の戦争』など著書多数。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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