国境を越えて、知恵を絞り合う

広告営業本部のセントジョン古畑さんの場合、海外の同僚とのやり取りから、仕事へのヒントをもらうことが多いという。

「アジア太平洋地域あるいは世界中のグーグルに、私と同じように広告代理店営業をしている人がいるわけです。国は違ってもグーグルという価値を売っているのは同じですから、みんなで知恵を絞り合えばいい。日本市場の攻略を外国の人に聞いてもわからないだろうと思い込むのは違うと思います。営業のときにどういうストーリーを立てたらいいかとか、有用なデータがどこにあるかとか、そういう気づきを『グーグル+』を通じていっぱいもらっています」

気になるのは質問の仕方。「ポイントを絞って論理的に書く。できれば個条書きに」。そんな社内ルールがありそうだが、実際にはもっと緩やかだ。

セントジョン古畑さんは、世界のグーグラーたちに質問を投げかけるときも「明日までに提案書を書くんだけど、あのデータはどこだっけ?」のように「ぼわっとした、独り言ふうに上げておく」という。

対する答えも「あの人が知っているんじゃないの?」「このリンク先にあるよ」とカジュアルだ。

現実は常に流動的で、ビジネスのための時間は限られている。書式を守るよりスピードを大事にしたほうが結局はよい結果につながるというコンセンサスがグーグルにはあるのだ。