教育虐待の構造はアルコール依存症やDVと同根
アダルト・チルドレンは、一見しっかりしているようで、中身はもろい。常に何かに依存しようとする。それがアルコールであったりギャンブルであったりする。子供ができれば、子供に依存してしまう場合も多い。そうして子供もまたアダルト・チルドレンになる。
アダルト・チルドレンが親になり、子供と共依存関係に陥った結果が「教育虐待」であるケースも多いのだ。とくに死に至るような壮絶なケースに多い。
教育虐待に限らず、児童虐待、ドメスティック・バイオレンス、モラル・ハラスメント、アルコール依存症、ギャンブル依存症、セックス依存症などは、こういった構造の中で生じている可能性が高い。
たとえばアルコール依存症でドメスティック・バイオレンスも行う夫を持つ妻は、一般には被害者であると思われる。しかし心理学的には、妻もまた夫をアルコール漬けにする「共依存」関係にあるととらえることができる。
体を壊したり社会不適応を起こしたりするほどにアルコールを摂取しているのであれば、どんな手段を使ってでもアルコールを断つのが本当の支援である。しかしアルコールがなくて暴れている夫を見ていると、「これで最後ですよ」と言ってアルコールを渡してしまう。
これが夫をアルコール依存症のままでいさせてしまう。そうすることで、無意識のうちに、「ダメな夫を支える妻」という立場を確保しようとするのだ。手に負えないのであれば、専門の機関に頼るなどするしかない。それなのに、それはかわいそうだからとなんとか自分で面倒を見ようとするその姿勢が結果的に、夫から「立ち直る機会」を奪ってしまっていることになるのだ。