1日に飲んでいいお酒は「ロング缶1本まで」
2024年2月19日に厚生労働省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。報道では、このガイドラインによって、1日あたりの「純アルコール量」で男性40g以上、女性20g以上の摂取は生活習慣病のリスクを高める、と伝えられました。
大腸がんに関しては1日あたりの純アルコール量で20g以上、週で150g以上でリスクが高まると報じられています。
「純アルコール量」はお酒に含まれるアルコールの量を表しており、アルコール度数と量、アルコールの比重で求められます。
5%のビールを500ml飲む場合、500×5%=25ml、これにエタノールの比重およそ0.8g/mlを掛けると、「純アルコール量」は20gとなります。
ビールの場合、アルコール5%前後が多いため、500ml缶1本あるいは中瓶1本でおおよそ20gです。
これまでも似たような基準が作られてきた
これまでにも国内外で類似の推奨文は数多く作られ、おおむね飲酒はごく少量、たとえば1日にビール1瓶とか日本酒1合程度にとどめるのがよいとされてきました。
同じ厚生労働省から2005年に出た「食事バランスガイド」にも「日本酒 コップ1杯(200ml)、ビール 缶1本半(500ml)、ワイン コップ1杯(260ml)、焼酎(ストレート) コップ半分(100ml)」という記載があります。
また、やはり厚生労働省が5年ごとに更新している「日本人の食事摂取基準」の2020年版は「過剰摂取による健康障害への注意喚起を行うに留め、指標は算定しないことにした」という立場をとっています。
指標がないのでどれくらいの量が「過剰摂取」にあたるのかもわからないのですが、参考情報として「総死亡率を低く保つための閾値(上限)を100g/週としている」という研究を紹介しています。
「食事バランスガイド」にある数字は20g/日、すなわち140g/週でしたから、「日本人の食事摂取基準」の「100g/週」のほうが厳しいことになります。ただしこの量を守るよう明確に推奨されたわけではありません。