9■約束した時間にルーズな“無神経”営業マン


ヴィレッジヴァンガード 新宿ルミネ店 店長●櫻田貴行

書籍と雑貨の複合店をチェーン展開するヴィレッジヴァンガード。若者の遊び心を刺激する、一見雑然とした商品陳列が持ち味だが、空気を読み違える営業マンが多いという。

「店内がルーズな雰囲気なので勘違いするのか、商談の訪問時間を守らない。演出と仕事は別です。うちのチェーンは店長に全権が任されるのですごく忙しい。営業マンが商談に遅れると、1日の予定がすべて狂うため、遅れた場合は理由にかかわらず、帰ってもらいます」(新宿ルミネ店・櫻田貴行店長)

中堅コンビニ、スリーエフ人事課の向井真史氏も同じように手厳しい。

「人材採用や教育研修に関連する営業がきますが、たとえ5分でも連絡なしに遅れる人に社員教育は任せられません」

同じ5分でも待たされる側と待たせる側とでは感じ方がまったく異なる。遅れる行為1つで、仕事への姿勢が読みとられてしまうことを忘れてはならない。

 

10■自社の商品も知らない“羞恥心顔負け”営業マン


スリーエフ 人事課●向井真史

この激変の時代にあっても、いまだに残る“あきれた営業”の例をさらに見ていこう。時間厳守以前の基本すらできない驚くべき営業マンもいた。

「営業マンが来店したら、前回、納品した商品がどれだけ売れたか、店内を回って在庫のチェックをしてもらうのですが、1時間経っても戻らない。なんと、どれが自社の商品かわからなかったのです。いくら同じような雑貨が多くてもあきれました。自分が扱う商品に対する愛情がまったく感じられません」(ヴィレッジヴァンガード・櫻田氏)

ちょっと突っ込んだ質問をすると、途端に答えられなくなる営業もいる。

「新卒向けの合同会社説明会の営業に来られたので、去年の動員数やコンビニ業界の参加企業を聞きました。向こうから訪ねてきたのに答えられない。パソコンにも入っていない。あまりに準備不足です」(スリーエフ・向井氏)

携帯を見ている時間の半分でもいいから、事前準備して訪問しよう。

>>鬼バイヤーの証言 嫌われる「KY営業」20種 後編

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日本IBM理事 購買担当●鈴木あや
1957年生まれ。84年IBM APに秘書として入社、88年に日本IBMへ異動し、以来、購買一筋。2003年にはNYの親会社へ赴任。05年より現職。社外のNPOでは女性幹部の育成にも尽力する。
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ヴィレッジヴァンガード 新宿ルミネ店 店長●櫻田貴行
1979年生まれ、2001年アルバイトとして入社。北海道8店舗のエリアマネージャーなどを経て、08年より現職と青森県内5店舗の責任者を務める。同店は全国243店舗のうち売上高2位を誇る。
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松屋 専門課長(紳士二課)●宮崎俊一
1967年生まれ、89年同社入社。業界団体のセミナーでは講師も務める。学生時代から古着屋通いを日課にしていて、「商品知識の乏しい営業マンが多い」と嘆く。
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コクミン ヘルシー商品部 部長●桑原正幸
1961年生まれ、80年同社入社。大阪地区のエリアマネージャーなどを経て、2005年、執行役員就任と同時に現職へ。「棚づくりは小売りの特権」が持論だ。
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スリーエフ 人事課●向井真史
1976年生まれ、2000年同社入社。社員の採用と教育研修を担当。数多ある人材系企業との交渉を続ける日々。「営業マンの質は企業の大小と無関係です」
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大和ハウス工業 購買部 集中購買1グループ長●杉浦雄一
1962年生まれ、86年同社入社。栃木二宮工場購買課長などを経て現職。現在、将来の経営幹部育成を目的とした「大和ハウス塾」の1期生として奮闘中。

(鷹尾 茂、吉川 譲、水野浩志=撮影)