塩漬けを絶対回避するには?
――日本で就職・転職活動をする場合に、自分のキャリアを磨くのにふさわしい企業を探すときの基準、ポイントはなんでしょうか。
【白藤】まず企業の経営者のものの考え方を知ることです。その企業の組織で長年育ってきて最高ポストに就いている人であり、いわば組織を体現している人なのでどんな働き方、働かせ方をしている企業なのかがわかります。たとえば、記事の中で「会社を成長させるために長時間労働も厭わずに働いてきた」と言っていれば、有価証券報告書の平均賃金を調べる。平均年収が400万円だとすれば、長時間働いてもこの金額か、仕事は大変だなということがわかります(笑)。社長談と『会社四季報』など公にされている数字でまず判断できます。
――組織の考え方と実際の数字を分析して自分にふさわしい会社かどうかを判断するのですね。
【白藤】そうです。社長の話から、出る杭が打たれる組織なのか、それを良しとしている組織なのか。その発言から自分の力を十分に発揮できそうにないなと感じることができます。ただ、話だけではわかりません。自由闊達で何でもやらせてもらえそうだと思って入っても、実は縄張り意識が強くてそうでもなかったりします。東大の理工系学生の人気ナンバー1企業という触れこみであっても、実際に東大から入った技術者の3年後の離職率が高い企業もあります。数字や実際の働き方を大学のOBなどから聞いて確認するのも重要だと思います。
学習院大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得満期退学。日・欧・米上場企業に勤務し、日本・北米・台湾でマネジメントを経験後、01年独立。グローバル市場で新事業・新市場開拓を企画立案から立ち上げまで一貫して行う戦略コンサルティング、並びに海外法人&プロジェクトで現場実践をスムーズにするための多国籍人事組織コンサルティングを実施。国内では大手上場企業をクライアントとし、これまで11業界の契約を手掛ける。