「ゆるいまちづくり」第一段階の成功
僕は、今の地域社会や消費生活にもっと必要なものは、画期的な発明や高度なサービスよりも、変化する楽しさや組み合わせることの面白さだと思っています。たしかにJK課では一年間でたくさんの企画や活動がうまれましたが、別に技術革新や発明があったわけじゃありません。すでにあったものを、掛け合わせたり組み合わせたりしただけです。新しいコラボレーションをつくっただけです。
でも、それにJKメンバーも大人も夢中になりました。そして、お互いを理解して尊重する、やわらかい信頼関係もできつつあります。またやりたい。もっとやりたい。みんなそう言ってくれました。
JK課を担当した鯖江市の市民協働課職員は、メンバーの卒業をめちゃくちゃに寂しがっていました。イベントの最後には、感極まって涙ぐむメンバーもいました。でも、そんな卒業メンバーも今頃はきっと「そういえばJK課っていうのもあったなー」くらいになっていると思います。それでいいんです。それくらいがいいんです。
卒業イベントの翌日、地元の新聞にJK課の1年間の総括記事がでました。企画当初は慎重で、時には批判的な論調でしたが、今回の記事の小見出しにはついに「ゆるいまちづくり」という言葉がポジティブな文脈で採用されました。先日開かれた鯖江市議会でも、「ゆるいまちづくり」という言葉が議員から飛び出していたそうです。
成果はもちろんのこと、まちに起きた変化を理屈抜きに感じてもらえたんだと思っています。まだまだ課題はありますが、「ゆるい市民」のまちづくりは、その第一段階は成功だったのではないかと思います。僕自身、次の段階が楽しみです。