自分にはどこまで権限があるか?

問題に取り組む前に、成功するだけの信用と権限が自分にあるかどうかを見きわめる必要がある。「変革を起こそうとする人が自分の能力をすでに実証している場合は、人々はその人の要請を進んで受け入れる可能性が高い」と、クラークは言う。上司や同僚と良好な関係を保つために最善を尽くそう。変革の戦いが自分の職務の一環である場合も、やはり戦いやすくなる。

自分の職務範囲に収まるような形で、その問題を説明しよう。それが難しい場合は、自分が実現したい変革が含まれるように自分の職務内容を正式に変える努力をしよう。

問題を指摘するときは必ず建設的な解決策も提示できなくてはいけない。「建設的な形でアイデアを出す人とみなされる必要がある」と、ディロンは言う。問題があると思っているのに改善する方法がわからないという場合は、問題提起する前に少し時間をとって、その問題について調べたり、ほかの人々に話を聞いたりしよう。反逆には代償がともなうのだから、それだけの価値があると確信していなければならない。その問題は自分にとって腹立たしいだけなのか、それとも自分や同僚の重要な仕事を本当に妨げているのかをしっかり見きわめよう。

また、リスクを徹底的に検討しよう。「スターバックスの代わりにダンキンドーナツのコーヒーにしよう、という改革運動に乗り出すとしたら、プラス面は自分の飲みたいコーヒーが飲めることだが、マイナス面は非生産的な狂信者だと思われることだ」と、クラークは注意を促す。ケリーも同じ考えで、「成功する反逆者は、組織にとって何が重要かを把握する高感度のレーダーを備えている」と言う。彼女は問題の重要度を1から10までの基準で評価することを勧め、重要度が6以下なら、やめておくべきだと言う。自分の解決策が自分のグループなり会社なりを目標に向けてどう前進させるかを説明できなくてはいけないと、クラークは言い添える。比較的小さくて最小限の資源で解決できる問題なら、取り組む価値があるかもしれない。