自分の限界を広げる出会い

バトルスカーを負いながら学んだというか、これは大切だと思って徹底してやってきたのは、決して致命傷を負わないように、きちっとトレーニングを重ね準備をしてから立ち向かうことでした。だから周りの人には、「崖から飛び降りるようなリスクの高いことをやり続けても、致命傷を負うことなく必ず着地する人」だと言われます。プランB、プランCを用意するように飛び降りるときはバックアップ用のパラシュートをいくつも備えていますから。

前例がないことに挑戦できるのは、そこに勝算ある仮説を見いだすだけの経験に基づく直感力があってのこと。自分の能力のさらなる開拓には、積み重ねたキャリアや経験の上に、さらなる努力を続けるといういわゆる底力が必要なのだと考えています。

どんな時にメンターの存在が必要になるかは人それぞれですし、ロールモデルがメンター的な役割を果たすこともあるかもしれません。さまざまな人と出会って自分の限界を広げ続けていけば、ここぞという時によりよい選択ができるようになるのではないでしょうか。

窪田 良(くぼた・りょう)●1966年生まれ。アキュセラ創業者・会長兼CEOで、医師・医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学院に進学。緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見する。その後、臨床医として虎の門病院や慶應病院に勤務ののち、2000年より米国ワシントン大学眼科シニアフェローおよび助教授として勤務。02年にシアトルの自宅地下室にてアキュセラを創業。現在は、慶應義塾大学医学部客員教授や全米アジア研究所 (The National Bureau of Asian Research) の理事、G1ベンチャーのアドバイザリー・ボードなども兼務する。著書として『極めるひとほどあきっぽい』がある。 >>アキュセラ・インク http://acucela.jp
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