「違うかな」と思われたら二度と使われない
――海外で戦う上で想定している課題や困難はありますか。
【堅田】米国版立ち上げ準備中の4月にアメリカで合宿を行ったのですが、そのときにはプログラムの一部として現地のユーザーの方々と対話型ユーザーテストを実施しました。世の中で何が起きているかを知りたいという欲求自体は古今東西問わず、誰もが本質的に持っています。SumartNewsはそうした情報をサクサク楽に、楽しく読めるという二つの「楽」を提供するところに価値があると思いますが、そのやり方は国や地域、言語などさまざまな要素に左右されるので、地域に応じた細かい磨き上げが必要です。
――やはり地域や言語に応じたチューニングが必要になると。
【堅田】日本でなんとなくうまくいったものをそのまま持っていけばよいかというと、絶対にノーです。SmartNewsの見本版を出すときも、ローンチを予定していた日を何回か延長しました。アプリの世界ではユーザーが一度ダウンロードし、「ちょっと違うかな」と思われたら二度と使ってもらえないという難しさがあるからです。なので、慎重に急いでいくことが大事だと考えています。
執行役員/メディア事業開発担当シニア・ヴァイス・プレジデント
1954年、東京都生まれ。78年法政大学経済学部卒業。アスキーで月刊誌編集長、ロータス(現日本アイ・ビー・エム)でのマーケティング責任者を経て、アットマーク・アイティを創業。その後、アイティメディア会長として同社をマザーズ上場に導く。2013年よりスマートニュースに参画。デジタルメディアの将来像設計を主題に活動中。
堅田航平(かただ・こうへい)
財務担当ヴァイス・プレジデント
1979年、東京都生まれ。2002年東京大学法学部卒業。インドでスタートアップの立ち上げに関わった後、モルガン・スタンレー証券の投資銀行部門などを経て、08年ネット生保の先駆けであるライフネット生命保険に参画。企画・事業開発・上場準備などを担当した後、13年執行役員CFOに就任する。14年、スマートニュースに入社し、現職。