TOTO社長 張本邦雄氏が添削!
【×BEFORE】
(1)議題が抽象的で、会議の目的が明確でないことがわかる。目的は議論することか、アイデアを出すことか、何かを決定することか、最初に決めておくべき。
(2)議論のプロセスをそのまま記すだけでは、議事録ではなく筆記録でしかない。議事録は会議に参加していない人に見せるための報告書と考えて、会議の目的、検討項目、論点など、要点を押さえて書く。
(3)ゴールがあいまいで、見た人がこれを踏まえて次に何をすればいいのかわからない。目的が意思決定だとすれば、その決定をもって次のアクションにつなげるのか、一つ上の経営会議に上げるのかなどをはっきりと書くべき。
【○AFTER】
(1)議題には会議の目的をはっきり――何を議論するかあらかじめ共有されている会議であれば、はっきりとした目的が掲げられているはず。その場にいなかった人でも、一目で会議の内容がわかる「タイトル」をつけるつもりで。
(2)会議を「章立て」して目次をたてる――大枠を論理的に章立てし、前提からゴールまで「起承転結」になるように会議の目次として落とし込んでいく作業をする。
(3)議論のポイントを個条書きに――目次に沿って、議論のポイントを個条書きにしていく。誰が何を言ったかよりも、どういう点で議論が紛糾したのか、どう問題解決につなげるのかといったプロセスが重要となってくる。
(4)次のアクションにつながる結論を――見た人がこの会議を受けて自分はどんな行動を取るべきかがはっきりわかるような結論を書く。複数の人に見せるような場合は、議事録を添付したメールに「こういう検討を加えたいと思っているのだが、そのためにこうしてほしい」と、要望を具体的に書き添えておくのも一つの方法だ。
1951年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、73年東陶機器(現TOTO)に入社し、営業畑を歩む。2009年4月に社長に就任。国内のリモデル事業や海外住設事業、オンリーワン技術の開発を強化する「TOTO Vプラン2017」を実施。