花婿・花嫁に便乗して自分らしさを追求

実際、筆者も目にしたことのある驚きの“ファミ婚”の現場。

それは、新郎新婦の衣装選びのときに、「両家の母親」が“自分たちのお色直しのドレスを選ぶ”と、カクテルドレスを試着している姿だった。聞けば、両家の親が偶然にも結婚30周年だったことから、そのお祝いを披露宴のなかでミニコーナーとしてやろうという新郎新婦からの提案だった。そして、「いい息子、娘を持った」と喜ぶ、ふたりの母親自らが選んで試着したドレスは、花嫁のドレスよりもブリブリのピンクや花柄のものだった。もちろん、来賓客は目がテンだった。

そこまでいかないにしても、「黒の留袖なんて着たくない」と、洋装を希望する母親も多いという昨今、新郎新婦と一緒にお色直しをして注目を集めたいという母親がいてもおかしくはない。

親の喜ぶ顔が見たくて披露宴をしようと思う健気な子どもたち。そんな子心に便乗して、"自分らしさ"を追求する親世代。団塊の世代の親の次は、押しが強く目立とう精神旺盛なバブル世代の親たちが子どもの挙式に立ち会うことになる。

結婚式をあげないカップルが5割という今どきのウエディングマーケット業界にとって、いまだ「バブルな親」は、極めておいしいターゲットになることは間違いなさそうだ。

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