新型コロナウイルスの影響で、多くの結婚式場が休館を余儀なくされている。ウエディング業界は今後どうなるのか。マリッジ・ライフ・プランナーの安東徳子氏は「スタッフの9割はフリーランスのスペシャリスト。イベントが中止になれば、そのまま無収入になってしまう。延期としても、再開したときにはスペシャリストが消えている可能性がある」という——。
ビーチに置かれた花束とカップル
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キス、握手、ハグ……結婚式は「密」になることが目的だ

結婚式における代表的なシーンといえば、どんなものを思い浮かべるだろうか。誓いのキス、ゲストとの握手、メインテーブルでの写真撮影、花嫁から親への花束贈呈とハグ、アルコールを伴う飲食や合唱、ダンス……。どのシーンも新型コロナウイルスの感染防止という点では問題がある。

そもそも結婚式は「密」になることが目的のイベントであるがゆえに、感染予防のために呼びかけられている「社会的距離(ソーシャル・ディスタンシング)」とは相いれないものがある。

2020年4月末現在、結婚式・披露宴は自粛対象にはなっていない。東京都の担当者は「結婚式は人生の大きなイベントであり、生活に欠かせない部分の1つとして対象から外した。適切な感染防止対策をした上で実施してほしい」(東京新聞 2020年4月23日)としているが、実際に「適切な感染防止対策」を整備するのは極めて困難だ。

この結果、結婚式会場は自粛せざるを得ない状態にあり、大手のほとんどの会場は一斉休館となっており、ウエディング業界はほぼ停止状態にある。