結婚式の主役は花嫁から母親へ? 

少子化にともない、母と子の距離は以前にもまして緊密化している。

子どもの部活動のサポート、大学受験の付き添い、そして最近では就職面接に同伴する親も増えているとか。団塊ジュニアとして世に誕生し、バブル世代と呼ばれ青春を謳歌した親世代に対し、記憶にある世の中は先の見えない不景気という子ども世代。

生きてきた時代背景に大きなギャップのある母と子にやがて訪れるハレの日が結婚式だ。結婚式は子どもが新たな家庭を築き、生まれ育った家庭から巣立っていく門出の日。そこには成長した我が子を末席で温かかく見守る両親の姿が……。というのが、今まで慣れ親しんだ風景だった。

しかし、今、こうした結婚式のシーンに異変が起きているのだ。

「ここ数年、会場の下見やドレス選び、打ち合わせなど親御さんが同席される率がぐんと増えました」

と話すのは、都内の某結婚式場でウエディングプランナーとして働くAさん。

会場をどこにするのか、料理は何がいいのか、花嫁の衣装はどれがいいのか、「決めるまでの過程から、その後まで母親がかかりっきり」というのだ。

1960年代頃までは結婚といえば、家と家とのつながりを重視していたがゆえに結婚相手や日取り、式の段取りまでも親主導という時代はあった。その後時代はお見合い結婚から恋愛結婚が普通になり、神前式からキリスト教式に挙式のスタイルも変わり、新郎新婦が主体となり“自分らしさ”“ふたりらしさ”に重きを置いた結婚式のスタイルへ。式を挙げる、挙げないにしろ、親は娘や息子が決めたプランを否定することなく「あなたたちが決めたことだから」と、親子間である程度距離を置きつつ首を縦に振り続けてきた。

しかし、とうとうその流れに変化が現れた。