スラスラ話したいときは、言い換えを活用
英語は「まずは結論」の型を発想の基本としたら、今度はその型にいれるための内容を考え直してみましょう。
ちょっと話がそれますが、学生時代の同じ専攻に一流紙の記者をしている方がいました。知識は豊富だし、文章も上手で英語の点数も高い。でも、なぜか英語が話せないのです。しばらくその人を見ているうちに、きっと考えが複雑なのだな、と思うようになりました。
つまり、日本語で難しく考えてしまうと、英語の力が日本語力に追い付かずに表現ができないのです。たとえば「杞憂に終わった」「取り越し苦労だった」は言えなくても、「心配しすぎた」なら英語でも言えそうです。
では、「荷物が届いた」の「届いた」が浮かびますか? もし浮かばなければ「届いた≒受け取った(got/ received)、到着した(got/ arrived)、送られた(sent)」……など日本語を言い換えてみると、自分で訳せるようになります。あとは、動詞にあわせて主語も臨機応変に変えて、最初にお伝えした型にいれて組み立てるだけ。
荷物が届いた ≒
I received the package.
The package arrived.
Somebody sent me the package. etc…
考えていることは高度でも、日本語を簡単に変えるだけで、よどみない会話がしやすくなります。英語がスラスラ出てくる人をよく観察してみると、瞬時にこうした言い換えをしているはず。あるいは、ひとことで言えないことは辞書の説明のように噛み砕いてその意味を話せば、単語そのものを知らなくても会話が成り立つでしょう。
また、日本人らしい発想も英語にしにくいことがあります。そんなときには、「自分は何を言いたいのか」の“真意”を“具体的に”英語にすることです。たとえばこんな風です。
「こんなところではなんですから、奥へどうぞ」
↓
「(話がしやすくなるように)、オフィスへどうぞ」
Why don’t we go into the office? It’ll be easier.
「こんなところではなんですから」は、場面にあわせて「ここでは話がしにくい」「ここは落ち着かない」のように自分が意味する内容に置き換えるか、あるいは日本人独特の言い回しなら、伝える必要すらないかもしれません。
簡単でストレートな日本語で発想するだけでも、眠っていた英語力が覚醒したかのように、スラスラと英語を話せるようになるものです。