ライバル・ホンダの次の一手

今回の技術発表で力説されていたのも、非ハイブリッド車の性能を高めることの重要性だった。内山田氏が昨年、経団連の副会長に就任し、トヨタの研究開発部門に対する圧倒的支配力が少し薄れたことが、バランスを少し取り戻させることにつながったとみることもできる。

トヨタがバランスを取り戻したことは、エンジンの熱効率向上技術で先行していたマツダ、ホンダにとっては少なからず脅威だが、より大きな影響を受けそうなのはホンダだ。マツダはエンジン技術だけでなく、デザインも含めて総合的な付加価値を高め、ブランドを強化しようとしているのに対し、ホンダはハイブリッドを含めた環境技術を軸に、トヨタと真正面から対抗する戦略を取っているからだ。

もっともホンダも、「排気量の小さなエンジンについてはターボを使った高効率化はやらない」(エンジン開発エンジニア)というトヨタと異なり、排気量1リットルで1.8リットル並みの性能と高効率を両立させるものなど、次世代ターボエンジンを遠からず出す計画であるなど、次の一手を準備中だ。今後、ますます激しさを増すエコカー戦争。今後の展開から目が離せない。 

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