また、グーグルでは「ルーン・フォー・オール」というプロジェクトも進めている。現在、世界中でインターネットにアクセスできている人口は35億人。全人口のまだ半分だ。
グーグルはそれを、世界の全人口にまで広げようとして、バルーンを成層圏まで飛ばしている。バルーンといっても、普通の風船ではない。ソーラー発電や通信設備を搭載したハイテク巨大バルーンだ。
これを、アフリカの奥地の上空に飛ばせば、アンテナを設置するだけでその家はインターネットが使えるようになる。これまでにもう1万個のバルーンが上げられているという。
「風船でインターネットをつなげましょう」などと言えば、普通の会社ではその人は頭がおかしくなったと思われるだろう。しかしグーグルでは、それがアイデアとして評価され、実現のためにチームが力を発揮する。まさに浮いている人を活かす企業なのだ。
アメリカで公開された『The Internship』という、グーグルが採用のために行うインターンシップをテーマにした映画でも、同社が人材の多様性を非常に重んじていることがわかる。
グーグルでは「グーグリネス」といわれる「グーグルらしさ」が評価される。それは、テストの点数などで測れるものではない。多様な基準で人材をみることができる組織は、浮いている人に向いている。
※本連載は『おれが浮いてるわけがない。』(五十棲剛史 著)からの抜粋です。