「受験に熱くなる半面、『受験が人生のすべてではない。落ちても命を取られるわけではない』といった冷静さも必要です。情熱と冷静さの二面性を備えてこそ、女優です」
一方、直前でなぜか子供の成績を「急降下」させてしまう母親がいるのも事実。鳥居さんいわく、「沸騰」ママだ。年末年始は競馬にたとえれば第4コーナーを回ったところ。そんなタイミングで騎手的存在である母親はムチ入れはしてもいいが、馬である子供の「走り」が悪くてもイライラをぶつけてはいけない。実際、逆効果だと感じつつ、自分を抑えられない。「これまでやってきたのに、この成績!」と過去問の点数をののしったり、ゲーム機を破壊したりするような母親は少なくないそうだ。
また、こうした冷静さを失った母親のなかには、パソコンの表計算ソフト「エクセル」を操作するかのように過去の複数の模試のデータなどを詳細に分析しつつ、理詰めで弱点克服にのめり込み、かえって子供を追い込んでしまうタイプもいる。
「受験生はまだ12歳。メンタル次第で偏差値にしてプラス10にもマイナス10にもなる。模試による合否判定などのデータは大学受験では効果があっても、中学受験には当てはまりません。
一緒にお風呂にでも入ってリラックスさせたり、お弁当に励ましの手紙を入れたり、絆づくりをしたほうが子供も心強くなる。エクセルママは受験の阻害要因ですが、エクセルパパはもっとタチが悪い。実は、お父さんがしゃしゃり出ると、子供が伸びるものも伸びなくなってしまうことが多いんです」(富永さん)
○【合格ママ】ハラワタが煮えくり返っても冷静を保つ「女優」タイプ
×【残念ママ】怒りにまかせて叱咤激励「沸騰」タイプ