どうして本当にうちの子は、もう! 朝は寝坊すけだし、家ではいつもダラダラで、注意すれば逆ギレするし。そんな、わが子の問題、実は食事で解決するかもしれません。
相談:CASE3――学校から帰るとダラダラしています
勉強やクラブ活動で疲れきってしまうのか、学校から帰ってくるとダラダラ、ゴロゴロ。宿題もこちらから言わないと、いつまでも手をつけません。何をやるにも億劫そうで、「勉強したら?」「夕飯の支度を手伝って」と声をかけても「わかった」「ちょっと待って」と口ばかり。なかなか腰を上げません。これって疲れているの? 怠けているの?

伊保子先生の脳科学診断

家に帰るなり着替えもせずゴロゴロ、ダラダラ。よくあるケースです。でも、単なる疲労、怠け心と思ったら大間違い。事態はもっと深刻で、脳が飢餓状態に陥っているのです。

脳は、電気信号によって機能しています。好奇心もやる気も集中力も、思いやりも忍耐力も、記憶力も発想力も、すべてが電気信号のなせる業。その電気信号のエネルギー源が、ブドウ糖です。ブドウ糖が安定して脳に供給されていれば、多少の肉体疲労があっても、人は怠惰にはなりません。怠惰な人の脳は、エネルギー不足にあえいでいます。子供を叱る前に、エネルギー供給を考えてやりましょう。

ブドウ糖といえば、甘いものや炭水化物に多く含まれます。なので、疲れたときには、脳がそれらを欲しがりますよね。実は、脳科学の世界では、脳のエネルギー低下に糖質の摂取を勧める先生も多いのですが、智春先生に生化学の知見を聞いてびっくり。空腹時にいきなり糖質を取ると、血糖値(血中ブドウ糖濃度)が急激に上がり、それを下げるためのホルモン、インスリンが過剰に分泌。より一層、低血糖に陥り、脳はもっとしんどくなるのですって。

空腹は避けたいけれど、放課後、アイスクリームやジュースを取るのはもっと危ない……。じゃ、どうすればいいの?

ハイハイ、血液栄養診断士の佐藤智春先生に聞いてみましょう。

脳科学者 黒川伊保子
感性リサーチ代表。感性アナリスト。
人工知能の研究に携わったのち、脳と言語の研究に。脳科学の視点から子育てのアドバイスもしている。