どうして本当にうちの子は、もう! 朝は寝坊すけだし、家ではいつもダラダラで、注意すれば逆ギレするし。そんな、わが子の問題、実は食事で解決するかもしれません。
相談:CASE4――国語の長文を集中して読めません
うちの子は本を読むのは嫌いではないのですが、小説の類いが苦手。ストーリーが複雑だったり、1つ1つの文章が長かったりすると、内容が理解できないようです。読んだ後で「どんなお話だった?」と聞いても、要領を得ません。国語の成績も長文読解は今ひとつ。私が小説好きなので、子供にもそのおもしろさを味わってほしいのですが……。

伊保子先生の脳科学診断

読書とは、文字という記号を、五感に起こる感情体験に変換する行為。

記号は左脳が、五感は右脳が担当します。つまり、右脳と左脳をつなぐ比較的長い神経軸索による信号伝達がうまくできないと、読書は苦手になります。

神経伝達をつかさどる軸索は、長いものでは時に1メートル以上になります。ここに電気信号が流れて「文字が情感に変わる」わけですが、長めの軸索は、途中で電気エネルギーが足りなくなるので、ところどころにエネルギー供給の穴が開いているのです。ここから信号が漏れて減衰するので“絶縁テープ”が巻かれています。ミエリン鞘(しょう)といいます。

この絶縁テープが薄い子は、信号がダダ漏れするので、文字を読んでも一向に情景が浮かばず、文脈が紡げません。自分が何を話そうとしたのか忘れたり、同じ話を繰り返したりする大人も同じ。熟年世代はもっと深刻で、ボケが進んでしまいます。

血液栄養診断士の佐藤智春先生によれば、この絶縁テープはコレステロール製。つまり、読書が苦手な子も、食べ物に問題があることに……!

右脳と左脳をつなぐ長めの神経線維は、直感やつかみに関わるため、勘が働かない、理解が悪いのも、コレステロール不足のせいかも。飲み込みが悪ければ、ぐずな子になり、成績も伸び悩みます。安易なコレステロール制限、してはいませんか?

脳科学者 黒川伊保子
感性リサーチ代表。感性アナリスト。
人工知能の研究に携わったのち、脳と言語の研究に。脳科学の視点から子育てのアドバイスもしている。