どうして本当にうちの子は、もう! 朝は寝坊すけだし、家ではいつもダラダラで、注意すれば逆ギレするし。そんな、わが子の問題、実は食事で解決するかもしれません。
相談:CASE2――ちょっとしたことで感情的になります
最近、子供がちょっとしたことですぐキレるのが気になります。
私が何か注意すると、これまでなら「うるさいな」「わかったよ」の一言で済んでいたのが、ここ最近はいきなり激高し、時に手がつけられなくなることも。
いつもイライラしていて、学校や塾でも友達との衝突が増えたようです。思春期・反抗期だから仕方がないのでしょうか?

伊保子先生の脳科学診断

12歳を過ぎたころ、脳は「おとな脳」に変わります。新しい脳に慣れていないので、当然誤動作します。時に、本人も思いがけないほどのひどい言葉を発したりして、はた目には情緒不安定に見えることも。

誰にでも起こることですが、思春期型のイライラは波がある(いいときもある)し、徐々に好転していきます。それが毎日のように不機嫌でキレやすいとなると、「セロトニン」というホルモンの分泌に原因がありそうです。

セロトニンは別名「幸せホルモン」といわれる、やる気の源。これがちゃんと出ていると充足感を感じやすく、1日を通して喜怒哀楽が穏やかに訪れるため、気持ちが殺伐としにくいのです。

また、セロトニンは記憶力にも関わります。私たちの脳は、夜寝ている間に、昼間の体験を何度も再生して、知識を定着させています。そのとき、「穏やかに心が動いた」記憶が、深い知識やセンスに変わっていくのです。セロトニンが出ている子は情感が豊かになるため、キレにくいだけでなく、睡眠中につくられる知識の量も多いのです。

セロトニンは、網膜が朝日の刺激を受けることで脳内に分泌されます。したがって、早起きをすることが最も大事。ところが、その分泌量には、食べ物で大きな差が(脳科学者もびっくり!)。この件については、血液栄養診断士の佐藤智春先生に指南をお願いしましょう。

脳科学者 黒川伊保子
感性リサーチ代表。感性アナリスト。
人工知能の研究に携わったのち、脳と言語の研究に。脳科学の視点から子育てのアドバイスもしている。