「人と会うこと」でエネルギーを上げる
本は時間ができたら読むのではなく、時間がなくても読むものだ。「本を読むためだけの時間を決めて、確保している」に「あてはまらない」人が年収の低い人で4割も占めている。
私も以前は移動時間などの合間に読んでいた。だが、それでは追いつかなくなってきたので、早寝できる日は夜10~11時、会食などで遅くなる日は寝る前の30分を読書時間に決めた。習慣化の武器がここでも活かせる。
「本を読むときは『目的』をもって読む」人が年収の高い人ほど多い結果を見て「のどが渇いていない馬に無理矢理水を飲ませることはできない」という西洋のことわざを思い出した。リーダーシップの本はリーダーになり必要に迫られれば読みたくなるものだ。
この原理を利用して、どうしてもしなければならない勉強をするには、アウトプットを先に決めるという方法がある。自ら、勉強会の進行役を買ってでるなどして、本を読まなくてはならない状況に自分を追い込むのだ。アウトプットを決めることで自然とインプット(読書)ができるようになる。
「会社と仕事の関係者以外に親しく交流する仲間がいる」の設問でほとんど差がないのに、「アフターファイブや休日は『人』から意識的に刺激やエネルギーをもらう」で20ポイント以上も差がついているのは、高年収者ほど元気になるために意図的に人に会っているからだろう。
管理職に関する講演やセミナーで「どうやって自分をリフレッシュし、エネルギーを上げますか」という質問をよく受けるが、私は「人と会うこと」だ、と答えている。普通は落ち込むと人に会いたくなくなるが、1人でいると不安が募り、ますます落ち込むものだ。このネガティブスパイラルを止めるには、プラスのエネルギーを持ったポジティブな人に会うのがいい。
社会心理学では、物事の考え方や枠組みを変えるきっかけはコミュニケーションしかないといわれている。文字を読むのも1つのコミュニケーションだが、やはり対面のコミュニケーションがいちばん有効だ。