時短ができる便利なツールほど、気持ちを伝えるのは難しいものです。最近は、仕事上のやりとりもメールで行うことが多く、出先からスマートフォンなどでメールを送る場合もあるでしょう。しかし、用件のみのメールを送ると、こちらにそんなつもりがなくても「指令・命令」のように受け取られてしまうこともあるのです。相手が社内の人間でも、「用件のみ、すいません!」などとひと言添える心遣いを忘れてはいけません。
また、「お世話になっております……どうぞよろしくお願いします」というマナー通りのビジネス文章を送っていても、それだけでは不十分の場合があります。メールでは、相当意識して文章に気持ちを乗せないと、相手には冷たい印象を与えてしまうことを覚えておきましょう。やはりここでも、「先日はわざわざお越しいただき、ありがとうございました」など、「その人ならでは」のひと言が効いてきます。親しい間柄であれば、「追記」として、少しフランクな内容の文章を添えてもいいのではないでしょうか。
プラスワンのひと言が、型通りの文章を生きた言葉に変えます。どんなツールを使う場合も、「心を伝える」ひと手間を怠らないでください。
日本一のプロ秘書が教える「一流のおシゴト」
「生きた情報」を、礼状のひと言コメントとして盛り込む
中村由美
コンサルタント会社の社長秘書を経た後、当時まだ100店舗の中堅企業だった株式会社壱番屋に入社。秘書の経験を買われ、社長秘書に任命される。急成長の壱番屋において創業者・宗次徳二氏をはじめ、3代の社長に仕え、トップの側で上場も経験する。中小企業の秘書実務と上場企業の秘書実務の両方を知る数少ない人物。日本秘書協会(元)理事、ベスト・セクレタリー、日本秘書クラブ東海支部(元)役員、秘書技能指導者認定、サービス接遇指導者認定。