「面倒くさがり屋なので」「文章に自信が……」。ちょっと待った! プレジデント誌調査では、年収1500万円以上の4割が「手紙やはがきを送って成功した経験がある」と答えた。まずは形から入って、気分を高めてみよう。
デジタルツールが幅を利かせていますが、だからこそ手書き文書の価値が見直されています。
普段、私は伝言メモや手紙はもちろん、原稿を執筆するときも手書きです。キーボード入力は確かに便利ですが、手書きのほうが自分の思いを直感的に表現できる。受け取る側にも私の思いや個性は伝わるだろうし、少なくとも「手間ひまをかけました」という気持ちは届きます。
書面の全部を手書きする必要はありません。たとえば、企画書や案内状の主旨部分はデジタルで記して、あいさつや近況報告を一筆箋に手書きで添える。ほかにも礼状、年賀状、暑中見舞い、引っ越しや異動のお知らせなど機会は山ほどあります。
筆記用具はやはり万年筆。書けば書くほどペン先がこなれて自分の書き癖にぴったりと合ってくる、まさに一生ものの道具です。では、どんな基準で選べばいいのでしょうか。
コストパフォーマンスを考慮すると日本製でペン先が金のものがおすすめです。鉄に比べて金のペン先は柔らかくてしなりがあるので軽いタッチで心地よく書けるし、アルファベットではなく主に日本語を書くのにも適していると思います。
今回は、初めて、もしくは久しぶりに持つ人のために選びましたが、ほかにもいいものはたくさんあります。自分の手に合う太さや重さ、書き味を持った1本を探しましょう。
万年筆本体が決まったら、次はペン先です。メーカーによって分類は異なりますが、EF(extra fine・極細字)、F(fine・細字)、M(middle・中字)、B(broad・太字)と、大きく分けて4種類あります。私はBを使うことが多いですが、好みは人それぞれ。文字がスカスカにならず、かといってつぶれもせずに書ける太さを見つけてください。
最後はインクの色。基本はブラックやブルー・ブラックですが、私は文字の濃淡が表れるブルーを好んで使います。ベストのパフォーマンスを出すには、万年筆と同じメーカーの純正インクを選ぶのが無難です。
万年筆が決まったら紙。文字がにじまずに裏抜けもしない一筆箋や便箋を揃えたい。プロッターやシールプレスなどのアクセサリーを集めれば、手書きがますます楽しくなること間違いありません。