異なる業界の手法を、うちでも使えないか

NTTマーケティング アクト 取締役 ボイスメディア事業部長 
川畑文雄 

1960年、鹿児島県生まれ。79年日本電信電話公社入社、20 10年テルウェル西日本経営企画部長を経て、13年より現職。

川畑文雄氏は今年7月、NTTマーケティング アクトの取締役ボイスメディア事業部長に就任した人物である。同社はNTT西日本グループ傘下の企業で、ボイスメディア事業部は104の電話番号案内事業を担当する。

大前経営塾を川畑取締役が受講し始めたのは、前職のテルウェル西日本で経営企画部長を務めていたときである。テルウェル西日本もNTT西日本グループの一員で、ビルメンテナンスや人材派遣、オフィスソリューション、介護など幅広い事業を取り扱っている。

「電気通信事業の競争が厳しくなるにつれ、テルウェル西日本はNTTグループから得られる売り上げだけでは厳しくなっており、グループ外にも営業をかけ収益を増やさなければ生き残れません。しかし会社の生い立ちから仕事の仕方が保守的なところも多いので、そこを変えていかなければならない。それにはまず、経営企画部の部下から鍛えていく必要がありますが、組織はトップの器以上には大きくならないとすると、まず自分自身を鍛えなければならないと考えました」

部下の特性や伸ばすべきポイントを見極めながら「この研修やトレーニングを受けるといい」と勧めると同時に、川畑取締役自身も率先垂範で大前経営塾を受講することに決めたのである。

学習には毎朝5時に起床し、7時までの2時間をあてている。

「大前塾長の講義は多角的な切り口で物事を解説されるので非常に面白いし、自分の人生そのものを見つめ直すような機会にもなっています。塾生間の議論では、アメリカやヨーロッパなど世界中からさまざまな業界の人の書き込みがあり、『あの業界の手法をうちで使えないだろうか』と参考になることが多いです。同じ会社で働く人とはどうしても似たようなものの見方になるので、異なる業界の人との議論は非常に勉強になります」