(PIXTA=写真)

日本人に帰化したソフトバンクの孫正義社長もそうですが、生まれ育った環境や根っこにある考え方の違いというのが、どこかに必ずあって、一般的な日本人とは描いているビジョン、その描いた将来の自分へのプロセスが恐らく違うのだと思います。それが成功に繋がっているひとつの要素なんじゃないかと私は考えます。

実際に私が見てきたなかで、投資家に限らず、事業家でもなんでもいいのですが、大きな成功を収めている人たちのなかで、あまり日本人らしくない行動習慣だな、と思う人はやはり外国の思想やキリスト教的な考えを持っている人が多いですね。

明確なビジョンづくりや、それをイメージすることは日本人にはなかなかできないというお話をしましたが、どうして日本人にはイメージすることが難しいのか、私が考えるひとつの理由があります。

日本人は初詣でに行って何を願うかというと、家内安全、健康祈願。要するに現世救済です。しかし、キリスト教もイスラム教も、その教えに現世救済なんてないと私は思うのです。

「誰しも死ねば天国に行ける」。彼らは現世とは違う世界があるというビジョンを子供の頃から鍛えられています。この考え方が下地にあるからこそ「将来成功してお金持ちになった自分」というビジョンを明確に持って、その将来に対するプロセスをきちんと追っていく。だから投資で成功する人が多い。また、そういった宗教観が根っこにあるからこそ事業や投資が成功したら、公共事業への投資や寄付など、社会にお金を還元する方が非常に多いのです。これが欧米人と日本人の違いです。

今、世界の大富豪といわれるような投資家たちは、自分の資産からリスクを排除する動きを見せています。

あらゆる政治の不透明、あらゆる経済が不透明な状況の現在、積極的にリスクを背負って投資をする人はほとんどいません。リスクが高く投資利益の不透明な従来の金融商品は売り、キャッシュを自分の生活する国の通貨で最低限持っています。そして、残った資産の活用先として注目されているのが、金、ゴールドです。