7月20日に投開票された参議院議員選挙では、参政党が14議席を獲得した。『SNS選挙という罠』(平凡社新書)を書いた文筆家の物江潤さんは「参政党議員、支持者たちを孤立、先鋭化させてはいけない。党の成熟化を促すため批判的提案を試みていくことが、社会にとってよりよい選択だと考える」という――。
メディアのインタビューに答える参政党の神谷代表=2025年07月20日午後11時5分、東京都新宿区
写真提供=共同通信社
メディアのインタビューに答える参政党の神谷代表=2025年07月20日午後11時5分、東京都新宿区

「参政党で極論・暴論を展開してきた人物」の当選

非常に強い追い風が、参政党に吹いていました。しかし、それと同じくらい激しい批判の嵐も吹き止みません。

実際、同党は批判されるだけの理由があります。象徴的なのは、「ワクチンは殺人兵器」といった極論・暴論を展開してきた松田学氏の存在です。松田氏に対し適切な処分をしないどころか、先の参院選で参政党から公認を得た同氏は当選を果たしたのです。

烏山区民会館前で演説をする松田学氏
烏山区民会館前で演説をする松田学氏(写真=Noukei314/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

また、「ワクチンは殺人兵器」という発言について神谷宗幣代表は「あれは、ちょっと口が滑ってますよね、僕は言いすぎだと思います」と対談で語っていますが、その発言の軽さには懸念を禁じえません。

笑下村塾 2023年9月4日 【「反ワクチン」「排外主義」と噂の参政党とはどんな政党なのか?副代表で事務局長の神谷宗幣さんに聞いてみた

もっとも、こうした非科学的な主張や陰謀論めいた発言は、他党の政治家からも発せられており、参政党に限った話ではありません。しかし、その主張の頻度が明らかに高いため、参政党への批判が特に集中しています。

私は、参政党に対して明確に批判的・否定的な立場です。しかし、ここでは一方的な批判をするのではなくて、批判的提案をします。そしてそれは、参政党を危険視する人々と、神谷代表及び穏健な支持者たちにとって、互いに利益のある提案になると考えます。