難解な本をも速読するには
読み飛ばしてしまったのか、ちゃんと速読できているのかを確認するには、親子で「○○はどこで出てきましたか?」など、あるページにしか出てこないような人物名や言葉などを探す問題を出し合うといい。速く探せれば探せるほど、しっかり「読めている」というわけだ。
ステップ5は、「メモをとりながら読む」。つまり、何か知識を得ようという目的があって、その本を読んだのだから、そこから得られた知識をアウトプットするということだ。重要と思った部分に線を引くだけでもいい。試験問題の場合は、これによってすぐに要点に戻ることができ、2回目を読む際に無駄が少ない。
当然のことながら、速読だけで試験問題が乗り越えられるわけではない。
「普通の速度で読んで理解できないものを速読することはできません。並行して専門用語や語彙(ごい)を補充することも必要になってきます」
速読をするには、集中力も欠かせない。ただし、集中しすぎるとかえって肩に力が入ってしまうそうだ。
「リラックスすることが重要です。水を軽く口に含んで飲んだり、数回の深呼吸をするのも効果があります。疲れがたまってきたなと感じたら、軽い体操をしましょう。集中力の妨げになるので、読む際には本のカバーと帯は外したほうがはかどります」(照井さん)
美穂さん・こゆきちゃん親子は、「速読を通して集中する力がつき、勉強のオン・オフの切り替えが上手にできるようになった」と実感している。
いまでは速読を教える側の照井さんだが、最初はなかなか速読が身につかなかったという。「毎日実践したからこそ、できるようになったのです。みなさんもぜひ、継続してください」(照井さん)
(遠藤素子=撮影)