同日の日本テレビ「news zero」もコメを取り上げた。ある消費者が購入量を5キロではなく2キロにしようと、安い価格の店を探す姿や、なんとか乗り切ろうと定期購入に切り替えたり、発芽玄米をいれてカサ増ししたりしている話など、涙ぐましい工夫を紹介。「次の発表で値下がりするかが焦点」というナレーションで締めた。これまた上っ面の話で、高騰の原因はわからず、高騰を嘆く話を繰り返しているだけである。「(値段が高くて)困っている。いつ下がるか待っている」という街の声を紹介していたが、消費者がこの問題をよく理解していないことがわかる。事態はそんなに甘くない。こういう状況を作り出している責任の一端は、表層ばかりなぞるメディアにあるのは明らかだ。

今起きているコメ価格の高騰は、デイリーのニュースで理解してもらうのは限界があるのか。一定の時間をかけて掘り下げなければコメ高騰の構造は伝えきれないのかもしれない。

コメ高騰は政府の需給コントロールの失敗

その点4月26日のTBSテレビ「報道特集」は、農政の問題に切り込み、コメ高騰の本質がわかるものとなっていた。元農水官僚で明治大学教授の作山巧氏が「需要と供給を均衡させようとして、政府が介入しているが、農水省が今回、需給コントロールに失敗している」とコメントしたのはコメ高騰のど真ん中に触れる話だと思わせた。同番組では、かつて増産を奨励され、その後減反へと転換させられた秋田県大潟村で、減反に反対して、独自の直販ルートを開拓した涌井徹氏を取材。反対運動をしていた30年以上前の取材映像も交え、コメ高騰の根っこにある、長年の農政の矛盾を描き出し、説得力のある内容だった。

月刊誌「GALAC/ぎゃらく」は、テレビやラジオの優秀なコンテンツに贈る「ギャラクシー賞」を主催する放送批評懇談会が編集・発行する、日本で唯一といっていいテレビとラジオの専門誌、批評誌です。放送の“コンテンツ”にとことんこだわり、放送メディアのあり方を考えます。「GALAC」最新号内容紹介はこちら
【関連記事】
JA農協は小泉進次郎を鼻で笑っている…「備蓄米5kg2000円を目指す」コメ担当大臣でも値段は下げられないワケ【2025年5月BEST】
残念ながら来年秋まで「5kg4200円」が続きます…農水省とJA農協がいる限り「コメの値段は下がらない」そのワケ【2025年5月BEST】
農水省とJAを叩いても「5kg2000円台の米」は二度と買えない…日本人の「米離れ」が招いた大きすぎる代償
「コメが売るほどある」江藤大臣には一生わからない…「高いコメを買わされる国民」を国会議員が軽視するワケ
「日本の水道水は世界一安全」はウソだった…発がん性PFASの影響を最も受けている"超身近な食材の名前"