変化がないと脳は飽きる

 人の脳は常に刺激を求めているため、ただ受動的に話を聞くのは20分を限度に集中力が切れるとされる。そのため、同時通訳者など集中力を必要とする仕事では、15分程でローテーションを組むことが多い。

しかも私たちは日常的に10分強でテレビコマーシャルなどが入ることに慣れているため、生活習慣的に集中力は10分強程度でプツリと切れてしまうこともあるようだ。

話をするときには長くても20分ほどとするか、休憩を入れたり、映像を見せたり、デモをしたり、別の人に話してもらうなど、変化と刺激を加えて相手を飽きさせない工夫が必要となる。ところが……だ。

世界的なベストセラーであり、ジュリア・ロバーツ主演で映画化もされた小説『食べて、祈って、恋をして』の著者エリザベス・ギルバートは、TEDのステージにシンプルな黒の服装に金色の髪を無造作に束ねた姿で登場し、道具も映像も用いずに18分ほどのステージを話しきった。

飾らない装いがむしろ彼女の美しさを引き立てるうえに、作家らしく話の内容をまとめるのも巧い。もちろん、世界的な作家の登場に誰もが興味示すけれど、最初の興奮と刺激にも人間はやがて慣れてしまう。そこでエリザベスは、飽きさせないためのちょっとした工夫をほどこした。