会社にとって「一番いいこと」を追求

――同業3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)のコンテナ船部門統合には懐疑的な声も多かった。

【岩井】難しいポイントはいくつもあった。3社は100年来のライバル会社で、急に一緒になると言われても仲間意識は芽生えにくい。3社がそれぞれ、世界中に組織と人を抱え、企業文化も業務の進め方も異なっていた。また統合を進める際には、独禁法に抵触しないよう各国の規制当局にも粘り強く真摯に対応していく必要がある。限られた時間と人員のなかで、2018年3月末まで3社が事業を継続しつつ、新会社を円滑に立ち上げるという極めて難易度が高いプロジェクトだった。

そこで選んだのが「ビッグバン方式」だ。3社の融合ではなく、新しい会社をゼロからつくる。出資比率は日本郵船が38%、商船三井と川崎汽船がそれぞれ31%でほぼ対等。このような経緯で誕生したがゆえにONEは全く新しい会社となり、社内に派閥もない。

(文=村上 敬)