トランプ氏が貿易関税にこだわる理由

2025年1月20日、ドナルド・トランプ大統領が就任以来、予想外の政策を次々と打ち出している。以前から述べているように、彼の政治手法は、政策の意義を丁寧に説明するのではなく、国民を驚かせたり脅したりしながら、関心を引きつけ政治目標を達成しようとする「デマゴーグ」的なものだ。

ホワイトハウスとアメリカ国旗
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大統領は二期目に入ると後世への評価を意識し、より常識的な政策を打ち出すのではないかとひそかに期待していたものの、その期待は裏切られた。米国際開発局(USAID)の事実上の廃止、多様性政策の予算停止、ガザ地区の米国領有、富豪イーロン・マスク氏が率いる効率化省による財務省の監視など、極端な政策が続いている。司法の介入による抵抗もあるが、連邦最高裁の判事にはトランプ大統領が指名した者も多く、司法の抑制力には限界がある。彼は自身の言葉の信憑性には無頓着だが、政敵への報復など、自ら掲げた目標の実現には余念がない。

ここで重要な疑問が生ずる。「なぜ米国国民は、彼の人柄や政策の行き着く先を理解しながらも、僅差とはいえ再びトランプを選んだのか」ということである。この質問に答えるのに、じつは国際経済学の基本が役立つのである。