かつては「株屋」と呼ばれていた証券会社
いま70歳以上の方は、子どもの頃を思い起こしてみてください。
私もそうでしたが、両親から口が酸っぱくなるくらい「投資より貯金しなさい」と言われてきませんでしたか?
なぜなら、戦前・戦後に生まれた世代は、現在では考えられないような徹底した「貯蓄教育」のなかで育ってきているからです。
戦争中は、戦費をまかなうために「愛国貯金」を、戦後は、復興のための貯蓄教育が徹底して進められてきました。
そのため、投資について学んだことがないばかりか、投資はギャンブル、まともな大人のやることではないと、常識として叩き込まれてきたのです。
また証券会社も、戦前・戦後は「株屋」と呼ばれ、「ばくち打ち」というイメージがあったのです。
いまでは考えられませんが、投資も勧めず、投資商品も売らない、お役所のようにお堅い印象の銀行員と比べて、証券会社は社会的に一段低く見られていました。
「銀行だったら間違いない」は大間違い
いまは、銀行を役所と同一のように語ると違和感を覚える若い方もいるかもしれません。
しかし、金融の自由化が進む2000年前後までは、銀行は「大蔵省出張所」として大蔵省の支店のような役割を果たしていました。どの銀行も大蔵省がつくった住宅ローンや預金サービスを、同じ金利、同じ期間、同じ条件で扱っていました。
これが自由化され、各銀行が独自につくった住宅ローンなどを売れるようになったのは25年ほど前からです。いまや銀行も投資商品や保険を売るのが当たり前の時代になっていますから、隔世の感があります。
いまの高齢者は、まだ銀行が大蔵省出張所だった時代に預金したりローンを借りたりしている人が多いので、「銀行だったら間違いない」と思っている人が多いですが、それは大間違いなのです。
お金を取り巻く環境はどんどん変わってきているのに、昔と変わらない感覚で金融機関に相談したら、簡単にカモにされます。
そんな世の中についていけないと思った人は、無理をしてはいけません。あなたは、投資に手を出す必要はないのです。
いいカモにされますよ!
(初公開日:2025年3月26日)