2007年1月9日、iPhoneを発表したジョブズのプレゼンは、もはや伝説となった。(写真=AP/AFLO)

そのジョブズ氏のプレゼンは、今でも動画サイトなどで見ることができるが、改めてふり返ると、まさに「愛のあるサプライズ」のプレゼンだったということがわかる。

ここに、「愛」とは何か。何よりも、相手のことを考えることである。自分の意見やアイデアを一方的に押しつけるのではなく、それが相手にどのように受け止められているのか、あらかじめ予想し、それに合わせてプレゼンを用意することである。その意味では、プレゼンは、誕生日のサプライズと同じ。相手のことをよく知り、考えなければよいプレゼンはできないのだ。

今やプレゼンの古典とも言える、2007年1月、iPhoneを紹介するジョブズ氏のプレゼン。実は、事前に、ネットのメディアで「iPhone」という名前や、そのスペックが漏れていた。

だから、当日会場に来た人を満足させるためには、より一段深い工夫が必要だった。その結果、ジョブズ氏がどんな演出をしたか。内容を知っている人も多いとは思うが、ぜひ、ネットなどでもう一度確認してほしい。

つまり、プレゼンの奥義とは、「思いやり」だとも言える。相手の感性のあり方、知識のレベル、求めていることを知ったうえで、「サプライズ」を演出する。その表現が相手のことを考え抜いたものであるならば、必然的に「愛のあるサプライズ」となる。

「愛のあるサプライズ」は、プレゼンをする者と、聴衆を固く結びつける。聴いている者たちも、ああ、この人は本当に自分たちのことを考えてくれたのだと実感する。

ジョブズ氏がプレゼンのカリスマだったのは、つまり、徹底的に聴衆のことを考えていたからなのだ。

(写真=AP/AFLO)
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