備蓄米放出も価格が下がらないワケ

新米が出回っても、それは年間消費されることを前提に供給される。年間の供給が40万トン不足していれば、価格が上がるに決まっている。残念ながら、農水省はこの基本的な経済学を理解してなかった。さらに、24年産米が供給される予定の10月から半年たった中間時点の3月になっても、民間の在庫量は前年同月比で40万トン減少していると思われる(24年10月から25年1月まで前年同月比44万トン減少)。同じ40万トンの不足でも、500万トンのコメの供給が必要な昨年10月時点より、250万トンのコメの供給が必要な今年3月時点の方がより供給不足は深刻である。だから、コメの値段は昨年9月から上昇していったのだ。

では、備蓄米の放出量を増やせばよいのかというとそうではない。