「絆、絆」と連呼されると、ついつい顧みるわが家の絆。ふと、妻の実家が自分を「よい婿」と思っているかどうかなども気になる昨今ではないだろうか。
狭い日本とはいえ、違う県出身者同士だと、気づかぬうちに考え方の違いにおける「地雷」を踏んでいる可能性もあると、県民性に詳しく『県民性の地雷原』などの著書があるエディットハウス代表の岩中祥史さん(愛知県名古屋市出身)は言う。では妻の実家への「この一言、この習慣をマスターすれば覚えがめでたい」というような技はあるのだろうか?
結婚といえばまず、岩中さんの出身地でもある愛知県。「花嫁道具をガラス張りのトラックで」という派手さかげんが話題になる。
「愛知県人の気質を端的に言うと『大きなお金はどんと使い、普段は節約する』。花嫁道具など長く使うよいものにはお金をかけ、『安物買いの銭失い』は蔑まれる。一方で、普段から小さなお金を大切にしているという姿勢が大切です」と岩中さん。
「愛知の嫁は実家が家財道具一切を負担するよい嫁でもある。しかし、家は男が用意するという暗黙の了解があります。家のサイズも愛知では50坪が基準。今は東京の15坪の賃貸住まいでも『いずれ広い家を買うため努力している』という姿勢を見せることが大切です」
それをわかりやすくアピールする手段の1つが「ポイントカード」だという。
「スーパーなどのスタンプを面倒くさがる男が大半だけど、愛知県の妻を持つなら大事なことです。ポイントカードを財布からさっと出せば、『金銭感覚がしっかりした婿』と信頼感の証しになる。妻からの口コミで、実家の両親や親族の評価もあがります」
東京では初デートで「ぐるなび」などのクーポンを出す男は「ケチ」と言われがちだが、名古屋嬢の目には「倹約家」としてぐっとくるものなのか? 岩中さんによると愛知を中心とする「三河文化圏」では、この姿勢は共通するものだそうだ。そしてこの真逆は「貯めずにあるだけパッと使う」九州だという。