技術と同じくらい必要な「人間性」とは
ヤクルトのスカウトに就任してから2カ月が経過した。12球団のスカウトでは最年少となる24歳は、方々への挨拶回りで「まず若いことに驚かれます」と苦笑いを浮かべる。四国のある有名監督からは、「NPBを経験していない人がスカウトになることは本当に大事なこと。外の目から野球を見て、プロ野球選手を輩出してほしい」と激励されたことを励みに、原石を発掘する「目」を養っていく。
「その人の人生を変えることがスカウトの一番大きな仕事だと思っています。速い球が投げられる、遠くに飛ばす、足が速いなどの技術はもちろん見ますけど、それに紐付く人間性も重要で、ヤクルトだったら伸びる選手って多分いると思うんですよ。
グラウンドの態度や、大人が見ている時と見ていない時でどう違うか、投手だったら打たれた後の表情やピンチの時の表情などを観察します。僕の感覚では、技術と人間性、半分半分ぐらいの割合です。それを見つけて『平岡が獲ってきた選手は育てやすいよ』と現場から言われるようなスカウトになりたいです」
まずは今秋のドラフトで、自分の推薦した選手が名前を呼ばれることが目標だ。異色の経歴を持つスカウトは、一人でも多くの選手をプロの舞台へと送り出すため、今日もグラウンドへと足を運ぶ。