部下とはどのように接するべきなのか。ライターのトイアンナさんは「決して熱くなってはいけない。力が入りすぎてしまうと、部下のやる気を奪うだけでなく、あなたの評価も下げてしまう」という――。(第2回)

※本稿は、トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』(大和書房)の一部を再編集したものです。

ストレスのたまったビジネスマン
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仕事のデキる人がやっている部下のすごい褒め方

ギャラップ社の調査では、マネージャーの自己認識と部下の上司に対する評価では、信じがたいほど大きなギャップがあることがわかっています。

●マネージャーの59%が「部下がいい仕事をしたときに褒めている」と思っているが、部下は35%しか褒められたと感じていない

●マネージャーの半数が、部下へ毎週フィードバックをしているつもりになっているが、部下は2割しか「毎週フィードバックをもらえている」と感じていない

つまり、私たちは今の2倍くらい部下を評価しなければ「やったつもり」で終わるわけです。しかも、「あれ、もうやってくれた?」という発言まで評価に含めてはいけません。

これはただのリマインドです。評価というのは、部下の成長を促進するために上司が積極的に行う支援です。

では、優れたマネージャーは部下をどうやって評価しているのでしょうか。部下から指示されて異例の出世を遂げた先輩方は、過去の部下と今の部下を比較するフィードバックを実施していました。

「配属当初と比べて、レポートが読みやすくなりましたね。構造化がよくできていると思いましたよ」「昨日の書類、あの後手直ししてくれたんですね。すぐに改善されたので、とても助かりました!」と、過去と現在の比較で相手を評価するのです。これなら、部下も成長を実感でき、さらに頑張るモチベーションが生まれます。