まだ「この会社は伸びる!」とは思えない
私自身、Snapchatを普段使っているわけではありませんから、NVIDIAやTeslaほどの確信を持てているわけでもない。2024年9月には第5世代になる「Spectacles」を発表しました。解像度やバッテリー寿命などが改善しましたが、まだAR業界のゲームチェンジャーになるには程遠いスペックです。まだまだ「この会社は伸びる!」とは感じさせてもらえません。したがって現時点では投資せず、依然としてメモを取るという形でウォッチリストに加え、その動向を見守っています。
今後、「SnapのARグラスが想定外に売れている」「Metaの同製品よりも注目を集めている」「Snapが搭載したAIチャットがすばらしい!」といったニュースが飛び込んできたら、その時点でARグラスを購入し、投資を検討するかもしれません。
自分なりの「確信」が得られるタイミングを待つ
テクノロジー業界と聞くと、多くの人が「変化が激しく、先行者利益を得るためには、一刻も早く飛びつかないと乗り遅れてしまう」というイメージを抱きがちです。たしかにそういった側面があることも事実です。
しかし、メタトレンド投資の視点に立てば、必ずしも焦る必要はなく、むしろ冷静に長期的な視点を持つことが合理的です。なぜなら、メタトレンドとは10年、20年、場合によってはそれ以上続く、非常に長いスパンでの潮流だからです。
したがって短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長期保有を前提に腰を据えて「次のきっかけ」を待つほうが、大きなリターンにつながる場合が多いのです。
とりわけARやVRといった分野は、技術的な成熟や市場への普及に、まだ時間がかかると見られています。だからこそ、今すぐに飛びつかなくとも十分にチャンスはあるのです。
大金を一気に投じて失敗するリスクを冒すよりも、まずはウォッチリストを活用して、丁寧に情報を集め、自分なりの「確信」が得られるタイミングが訪れるのを待つ。
そしてそのときが来たら、満を持して本格的に投資を実行する。これこそが私が考えるメタトレンド投資のスタイルなのです。