怒っている=「モンスター」ではない
さあ、今、あなたの目の前に怒っているお客さまが現れたとします。
最初にすること。それは、意外と思うかもしれませんが、相手を「モンスタークレーマー」と決めつけないことです。
正当な申し出をしているけれども、一時的に感情的になる人や口調が強くなる人はいます。また、担当者の説明に不足があったり、話し方がわかりにくかったりして、相手の怒りが増幅していることもあります。そして、繰り返しクレームを言う人がすべて「モンスター」とは限りません。
例えば私自身、あるお店で購入したビジネスバッグの持ち手が、1週間もたたないうちに壊れてしまったことがありました。お店に連絡し、交換をしてもらいましたが、新品の持ち手も数日後に壊れてしまいました。バッグの持ち手が壊れると、抱えて運ぶしかありませんから、外出先でとても困りました。
再度お店に連絡し、事情を説明したところ、最終的に返金対応をしてもらいました。二度もクレームを入れた私は、お店側からすれば「またこの人か」と思われたかもしれません。でも、これは単なる「わがままなクレーム」ではなく、本当に困っていたのです。
このように、繰り返しのクレームでも、理由が正当なものもあります。何でもかんでも「モンスタークレーマー」と決めつけると、サービス提供者側が対応を長期化させてしまうかもしれません。「この人はなぜクレームを伝えているのか?」を冷静に分析し、対応することが重要です。
感じのいい人たちは、クレームが起きると4つのステップで、以下のような言葉をかけています。
感じのいい人が口にしている言葉
①「そうでしたか……!」「そんなことがあったのですね!」
最初は、このようなリアクションで、相手の申し出を受け止めていることを伝えます。あなたも、誰かに不愉快な体験を話したとしたら、「えー、そんなことがあったの⁉」と反応されたほうがうれしいですよね。
「商品に不具合……ですね?」「お出かけ先でのことだったのですね?」
などと、相手の申し出を復唱するのも、リアクションの一つ。
相手が何に不快な思いをしているか、理解していることを示すことができます。