会社訪問で空気を確かめる

●社員にその人自身の働く目的を聞こう

Aランク情報、すなわちその会社の社員や関わりのある人などから話を聞くことは、BランクやCランクの情報収集に比べハードルは高くなります。

しかし、Aランクの情報収集は面接で受かるためにも有効な手段です。面接官は応募者が就職サイトに書いてあることしか言わないのでうんざりしています。そのとき「御社では今、こんな取り組みをしていると聞いたのですが本当ですか?」と独自に得た情報を面接官にぶつければ、高い評価を得られるかもしれません。

問題はどうやって情報源となる人をつかまえて話を聞くか、です。その第一歩は自分に近い人、たとえば親や兄弟、親戚、大学の先輩などに相談してみること。その中に情報源になる人がいればベストですが、実際にはそう簡単にいかないでしょう。その場合は「こういう業界に詳しい人はいませんか」と尋ね、紹介を依頼することです。

話を聞く相手が見つかったら、聞きたい質問を事前に準備しましょう。ポイントは3つあります。

1つ目は経営理念やビジョン、戦略などの徹底度、浸透度です。「経営理念を職場ではどんな形で実行しているのですか」「戦略の浸透を象徴するような事例はありますか」などと質問し、確かめていきましょう。

2つ目は、具体的な仕事の内容や人に関することです。たとえば「入社して、最初はどんな仕事が与えられるのですか」「実際に社内で活躍しているのはどんな人ですか」とリアルな仕事内容や社員の姿を聞いていきます。

3つ目は、聞く相手がその会社の社員であれば、その人自身の働く目的やモチベーションなど、個人のやりがいです。そうしたナマの話から、会社の実態が見えてきます。

また、会社訪問や説明会などで実際に会社の中に入る機会もあるでしょう。会社訪問で確認しておきたいポイントは、まず経営幹部や社員の対応です。対応してくれる社員の態度や言葉づかいに好感を持てるかどうか。会社の社風は、そこで働く人たちの態度や行動ににじみ出てきます。

社内の掲示物や配布物も大事なチェックポイントです。そこから会社の雰囲気や今、どんなことに力を入れているのかがわかります。受付や洗面所などがきちんと整理・整頓され、清潔感があるかどうかも要チェックです。社内のコミュニケーションが円滑で業績の良い会社ほど、整理・整頓が行き届いている傾向があります。

(構成=宮内 健)
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