企業の業績回復が進んでいる。恩恵を受けているのは大企業だけではない。これから業績の伸長が期待できる中小企業はどこか。5つの分野から考えてみよう。
1つ目は輸出関連。中でも有望なのは、グローバルの顧客を相手にスマートフォン(以下、スマホ)向けの電子部品を扱う企業だ。スマホの軽薄短小化が進み、端末メーカーからの要求が厳しくなるにつれ、技術力を有する日本の部品メーカーの競争力が高まっている。コネクタに強みを持つ日本航空電子工業、小型集積回路を核として業績を拡大するアオイ電子、タッチパネルで世界トップクラスのシェアを有する日本写真印刷などが、その筆頭に挙げられるだろう。円安メリットがさらなる追い風となる。
2つ目は復興事業関連。東日本大震災から2年あまり経つが、人手不足による人件費の高騰などにより、工事が思うように進んでいないのが現状だ。安倍政権の国土強靭化計画のもと、今後は進捗率も徐々に向上することが期待される。建機レンタル会社、高速道路やトンネルの補修を行う会社も、その恩恵を受けるだろう。関連企業として、建機レンタル最大手のカナモト、接着剤最大手で耐震補強技術に強みを持つコニシが挙げられる。
3つ目は太陽光発電関連だ。再生可能エネルギーの普及を目指し、発電された電気を一定価格で買い取る「固定価格買取制度」が昨年の7月からスタート。2013年度の価格は初年度よりやや下がるものの、普及は高水準で推移すると考えられる。システムの販売・設置を手掛けるウエストホールディングス、発電システムを工務店などへ販売する高島、パワーコンディショナー(電力変換装置)を製造する山洋電気、ダイヘン、日新電機といった企業が攻勢をかける。
4つ目はLED関連。震災以降の電力不足を背景に、まずはコンビニなどの商業施設で導入が進んだ。今後、実施される電気代の値上げが、個人宅への普及も後押しすると考えられる。遠藤照明やオーデリックといった照明器具メーカーが関連する。
最後がLTE(高速無線通信)関連。この分野では日本電波工業やアンリツの技術力が優位性を発揮するだろう。