リース大手が好調だ。2013年3月期決算において、過去最高益を更新する企業も少なくない。リーマンショックによる影響もあまりなく、10年以上連続で増配を続ける企業もある。

各社がこれまで安定的な利益を生み出してきた背景には、調達コストおよび与信コストの減少によるところが大きい。超低金利水準が長期間続いていること、また貸し倒れが低位に推移していることなどが追い風となっている。

だが、今後さらなるコスト減は難しいだろう。成長のためには売り上げの拡大が必須だ。ポイントは3つある。

1つ目は、設備投資の動向。リース各社の核となる事業は、企業への設備機器のリースにある。現在、キャッシュフロー重視や廃棄コストの削減という観点から、設備投資におけるリースの比率が高まっている。今後、企業の設備投資意欲が旺盛になれば、当然、リース業も恩恵を受けることになる。

2つ目は、海外への展開。近年、東南アジアを中心に、大企業だけでなく中小企業へのリース需要も膨らんでいる。リース各社の顧客の大半は日本企業だが、今後は、現地の企業に対して事業を拡大できるかどうかが売り上げ拡大の鍵となろう。

3つ目は、高度金融部門への拡大だ。機器の貸し出しを行う単純なリース業だけでなく、より専門性の高い金融事業に進出する企業も増えている。

以上のポイントから、今後の成長が特に期待できる企業はどこか。

海外展開では、日立キャピタルに分があるだろう。同社は欧州・アジアでローカル向けビジネスを拡大してきた。勢を取る。

高度金融部門の強化という点で注目すべきは、三菱UFJリースとオリックスだ。前者は今年1月、米航空機リース大手、ジャクソン・スクエア・エビエーションの買収手続きを完了。後者は2月、オランダの資産運用会社ロべコの買収を発表。両社の新たな収益源となることが期待される。

これまで、リース業はデフレに強い業界といわれてきた。だが、大手各社は売り上げ拡大への道筋を整えつつある。景気に左右されにくく、ゆるやかではあるが堅実な成長が期待できる業界へ変わりつつあるといえよう。

(構成=プレジデント編集部)
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