初対面の人との会食や打ち合わせの気まずさはどう解消すればよいのか。マナー講師の諏内えみさんは「相手も緊張するのは同じ。あなたの行動で『好意』が伝われば、安心して会話ができる」という――。

※本稿は、諏内えみ『我慢しない、侮らせないビジネスパーソンの処世術 戦略としてのずるいマナー』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

打ち合わせで相手との距離を縮めたいなら

上司と部下の面談や初対面の方との打ち合わせなど、お互いちょっと緊張する場面において、相手に心を開いてもらいやすくなる方法があります。

「ラポール」と呼ばれる、コーチングの手法のひとつとしても知られているノウハウです。

【座る位置】

会議室や応接室、カフェなどでは、向かい合う形で座るのが一般的でしょう。ただ、面と向かってしまうと頻繁に目が合いやすく、慣れない同士ですとどうしても緊張しがちです。

そこで、テーブルの角を挟んだ位置に座るのがおすすめ。

必要なときだけしっかり目が合わせられるので、向かい合うより格段に話しやすくなります。

もしくは、斜め前に座るのもOK。ほどよい距離がとれるので緊張がほぐれます。仕事終わりにバーなどに行くなら、横並びに座るカウンター席も有効です。

つまり、お互い顔が見え過ぎない位置を選ぶのがポイントです。

【オーダーするとき】

飲み物などを注文する際は、まず相手に「何になさいますか?」と尋ねてください。返事をもらったら「私も同じものを」とオーダーするのです。

たったこれだけのことですが、「自分の好みと同じ」「一緒のものを頼んだ」という事実が好意を感じさせ、思いのほか2人の距離をグッと近づけてくれます。

どんな相手であってもオールマイティに使える、じつに簡単な魔法の言葉です。

カフェでホットラテの入ったカップを持つ友人
写真=iStock.com/Boyloso
※写真はイメージです

自分の名前を呼ばれると親近感を覚える

【名前を呼ぶ】

会話の中に、できるだけたくさん相手の名前を入れるようにしてください。

「○○さん、おはよう」
「□□様、どうぞお掛けください」
「△△さん、今日はお忙しいところありがとうございます」

といった具合です。

簡単なことですが、人は自分の名前を口に出してもらえると相手に対して親近感を覚えるものです。初対面なら、名前を覚えてくれた嬉しさも加わります。

これはビジネスのみならず、婚活や交友関係などプライベートなシーンであっても同様です。

より距離を縮めたい相手がいたら、ぜひ実践してその効果を体感してください。