念のために書いておくと、抗がん剤がいけないと言っているのではない。大部分の人は、すい臓がん用の抗がん剤を打って気分が悪くなることはあっても、それが原因で生死の境をさまようようなことはない。要は、抗がん剤が私には合わなかったのだ。
朦朧とする意識のなかで、なぜ私が入院・治療を選択したのか。正直言って、そのとき頭のなかにあったのは、「何がなんでも新著を完成させて、世に問いたい」という思いだけだった。新著とは、その後、『書いてはいけない』と題して出版され、ベストセラーになった書籍だ。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
