▼木暮太一さんからのアドバイス

継続は、気持ちより仕組みの問題です。成果を複数の指標で測れるようにしておくといいでしょう。たとえば、私はダイエットのために、体重や体脂肪率、内臓脂肪レベルなど7つの指標でチェックできる体重計を使っています。これは思うように体重が落ちなくても、何か1つくらいは改善している指標があって、やる気を維持できるからです。勉強も同じです。複数の指標を持っていれば、「あの点数は伸びていないが、こっちの点数は伸びている」と自分を励ますことができるはずです。

また、私が意識しているのは、垂直立ち上げ型の勉強計画です。勉強を途中で投げ出したくなるのは、努力した成果を実感できず、このままではモノにならないのではないかと不安になるからです。

勉強を継続させるには、不安になる前に達成感を得ることが重要です。そこで目に見える成果を得られるレベルまで、一気に集中して勉強する計画を立てるのです。たとえば語学なら1日1時間を数年かけてマスターするのではなく、1日数時間を1カ月、集中して勉強します。そこまで密度を高めれば、1カ月後には何らかの成果が表れて、自信が持てるはずです。

集中して学ぶには、1カ月単位のテーマ設定も重要です。年間の勉強テーマを掲げている人は多いかもしれませんが、そこに向けていきなり日々の勉強を積み上げようとすると、年間目標まで距離がありすぎて迷走してしまう場合があります。そうしたブレを防ぐのが1カ月単位のテーマ設定です。

私は今年、「東南アジア経済」を深く勉強すると年初に決めました。ただ、それだけではなく、今月はインドネシア、来月はシンガポールというように1カ月単位のテーマも決めてインプットするよう心がけています。年間目標は同じでも、目先の対象が変わることで、メリハリをつけることができます。

木暮太一●作家
1977年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て、独立。大学在学中に自主制作した「気軽にはじめる経済学シリーズ」はロングセラーに。著書に『今までで一番やさしい経済の教科書』など。
(村上敬=構成 佐粧俊之=撮影)
【関連記事】
池谷裕二が指南!やる気が出る「脳」のだまし方
「脳とやる気」1秒で集中スイッチを入れる法【2】
実は女性の方が数字に強い!
「持続力がない」解決法
1000人調査「ここが逆効果!あなたのムチの入れ方」【1】