所有欲から解放された自由な働き方
彼らにしてみれば、別荘を持つなんて正気の沙汰とは思えないのでしょうね。実際にシェア別荘のサービスも普及しています。
これなら必要なときに利用できて、管理もすべて任せられます。何しろ、今は別荘どころか洋服やバッグ、家具・家電などもシェアできる時代なのです。
メルカリのように、個人が簡単にモノを売買できるフリマアプリもあるので、必要なときに買って、使い終わったら売ればいいという発想も浸透しています。所有してモノに思い出を残すというのは昔の人の考え方です。
しがらみや所有欲から自由であることは、仕事の仕方にも投影されます。
私たちが若い頃、美容室や飲食店で働く人の多くは独立して自分の店を持つことを夢見ていました。そのために、遊ぶ時間も惜しんで厳しい下積みに耐え、せっせとお金を貯めていたわけです。
ところが今の若者は、必ずしも独立して店を持つことをゴールにしていません。美容師であれば、時間単位で借りられるシェアサロンが各地に誕生しています。
普段は特定の店に勤務し、残業をせず、有給休暇もしっかり取りながら働く。並行して、副業でフリーランスの美容師としてシェアサロンを活用しスキルアップを兼ねて稼ぐ。こういうタイプの人たちも増えています。
「未来」のことは、若者たちに訊け
私の勉強会の参加者にも、会社勤めをしながらシェアスペースを活用し、平日夜と土日だけ週末起業で会社員向けのパーソナルトレーナーをしている人がいます。とても合理的で賢いやり方だと思います。
というのも、自前でパーソナルジムを構えたら莫大なお金がかかります。法人化してトレーナーなどを雇ったら、資金繰りにも頭を悩ませますし、人材確保や人材育成など肝心のトレーニング指導以外の業務に多大な時間を取られます。これではなんのために独立したのか、わからなくなります。
顧客となる会社員は平日夜と土日しかサービスを利用できないのですから、その時間だけスペースを借りて一人で仕事をしたほうが圧倒的に身軽です。
こういった工夫や発想は、若い人から直接学ぶのが一番です。ビジネスのヒント、起業のネタもたくさん眠っています。若い人から学べば、凝り固まった価値観や発想が解きほぐされ、頭の中をアップデートすることができます。
私の同世代を見ても、若々しい見た目や発想をしている人は、若い人たちと積極的に関わっています。特に一番若く感じるのは学校の先生です。いつも学生たちに囲まれてコミュニケーションを取っているから、自然と若々しくなっていくのでしょう。
未来は若者たちがつくっていくのです。未来を知ろうと思ったら、若い人ともっと関わり、積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。