コミュニケーションの取り方は極力相手に合わせる

ビデオ会議以外のコミュニケーションも同じです。

「LINEでやりとりをしましょう」といわれているのに、かたくなに「メールでしか連絡が取れません」では、世の中から取り残されるだけです。

LINEやメールで済む要件を、あえて電話してくる人や、まずは会って話したいという人もうっとうしいですね。そんなオールドタイプにはなりたくないと思います。

会社では動画の編集やビジネスチャットの使い方など、若い人にお願いすればいろいろ教えてもらえます。

しかし、たとえば起業して一人で仕事をするようになったら、そうはいきません。

私がフリーランスになったときは、パソコンのセッティングやネットのつなぎ方など、何から何まで一人で対応しなければならず、苦労したのを覚えています。

「パソコンが不具合を起こしたので原稿が間に合いません」「クラウドの使い方がわかりません」では済まされません。

今もデータの管理などに細心の注意を払っています。やっぱり、一定レベルのITスキルは身につけておきたいものです。

「クルマをあげる」でも「いらない」と即答する若者

現代の若者には優れたところがたくさんあります。若者から学ぶことは少なくありません。

私から見て、若い人たちは学びのスピードが本当に速いです。

さまざまな情報に無料でアクセスできますから、かつてのように年配層との経済的格差による情報格差がないことも一因かもしれません。

新しい技術にも柔軟に対応する力を持っています。研究熱心でもあり、ゴルフなどでは18ホールを回っている間にみるみる上達するのがわかるくらいです。

ゴルフをする女性
写真=iStock.com/nycshooter
※写真はイメージです

貢献意欲も高く、性格的にも優しい人が多いように感じます。私のような世代にも知らないことを親切に教えてくれます。

特に私たちの世代との違いを感じるのは、今の若者は自由に生きているということです。今はよくいわれるように多様性の時代です。どう生きたっていいし、どんな生き方も尊重する。若者たちには、そんな価値観が共有されています。自由でうらやましいです。

私たちが若い頃は、いろいろなしがらみがあり、「こうすべき」という言葉に支配されていたような気がします。

就職したら定年まで勤め上げるべき、ある程度の年齢になったら家やクルマを買うべき、夏休みは海や高原に行くべき、冬はスキーに行くべき、クリスマスは恋人と、正月は家族と過ごすべき。

そんな価値観が金科玉条となっていて、一つひとつクリアすれば幸せになると思われていましたし、実際にクリアしたときに手応えを感じていました。

そんなしがらみがない若者は、所有欲からも解放されています。先日、私の長男が結婚するというので、ちょうど買い換えのタイミングだったこともあり「ウチの旧いクルマを持っていっていいよ」といったら、「いらない」と即答されました。

クルマに乗りたいなら、カーシェアのサービスを使えば十分。あえて維持費の負担を抱えてまでクルマを所有するメリットがないというのです。