著書が大ベストセラーに

そのときは、普通にお賽銭での参拝でしたが、参拝するのなら「正式参拝の方がいい」という話を聞いていましたので、次はそうしようと決めていました。

ということで、『アウトプット大全』の見本が刷り上がった当日、みんなで根津神社を正式参拝しようという話になりました。

私と弊社スタッフ、担当編集者と営業部長など5名で、正式参拝しました。

今まで、私ひとりで日本各地の神社を何度も正式参拝していましたが、編集者や弊社スタッフも一緒にというのは、「初」の試みでした。

そして、その結果は……『アウトプット大全』は、シリーズ累計100万部を突破する大ベストセラーとなっています。

ちなみに著者累計でいえば、『アウトプット大全』以前は50万部に満たなかったものが、現在は累計260万部を超えています。

これを、たまたまの「偶然」と考えるのか、「神社参拝の効果」と考えるのか? あなた次第です。

『アウトプット大全』以後、必ず担当編集者とスタッフで、根津神社参拝をしています。

『アウトプット大全』は、樺沢にとって28冊目の著書でしたが、現在まで51冊の本を出版。つまり、23冊連続、7年間連続で神社参拝(正式参拝)を続けています。もちろん、今回も本書の発売前に参拝しました。

東京の根津神社
写真=iStock.com/Starcevic
※写真はイメージです

「神頼み」ではなく「ありがとう」

「神頼み」ではなく、「いつもありがとうございます」という感謝の気持ちで参拝しています。

神社で毎年開催される「祭り」ですが、元々の目的は「神様への感謝」です。

「祭」の語源は「まつる」。神様に供え物をお祀りし、五穀豊穣、疫病退散などを祈願し、神の恩恵に感謝する目的で始まった行事と言われます。

私は、神社というのは、古代より「感謝の練習場」だったのだと思います。

私たちは、日頃は忙しいので、日々の生活や周りの人たちに感謝することを忘れています。しかし、神社に行けば「いつもありがとうございます」「今年も1年ありがとうございました」と、自然に手を合わせて、感謝の気持ちが湧き上がります。

感謝には、見返りは必要ないのです。感謝するだけで、私たちにはセロトニン、オキシトシン、ドーパミンがみなぎり、健康になり、仕事に集中することもできるし、幸せな気持ちに溢れるのです。

樺沢紫苑・田代政貴『感謝脳』(飛鳥新社)
樺沢紫苑・田代政貴『感謝脳』(飛鳥新社)

とするならば、機会があるごとに神社を参拝し、「感謝する」ことに、私は大きな意味があると思います。

神様にすら感謝できない人が、周りの人たちに感謝できるのでしょうか?

見返りを求めないのが、「感謝脳」のステージです。ですから、見返りばかりを求める「神頼み」に効果があるのか? というと、効果はないでしょう。

感謝によって、脳内の幸福物質セロトニン、オキシトシン、ドーパミンが分泌するのであって、いくら感謝のない「頼み事」や「お願い」をしても、幸せの脳内物質は分泌しないのです。

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